深津絵里が近松の舞台 デヴィッド・ルヴォー演出『心中天網島』に出演

      2016/03/05

この記事の所要時間: 743

画像出典:http://ja.ukiyo-e.org

秋から来年の春にかけて

深津絵里が話題の人になりそうです。

カンヌで監督賞を受賞作品『岸辺の旅』の

公開を間近に控えて期待が高まっていますが

今度は舞台のニュースです。

 

これまでも野田秀樹作品を始めとする

何本もの舞台で活躍してきた彼女。

今回はデヴィッド・ルヴォー演出で

近松に挑戦。

 

心中天網島』を題材とした新作

Eternal Chikamatsu(仮題)』

エターナル ちかまつ)で

中村七之助と共演するそうです。

 

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外国人演出家が魅せる近松芝居

映画・テレビ・舞台で活躍し

演技力では定評のある深津絵里。

 

映像に関してはこれまでに

十数の賞を受賞しているのはもちろん、

舞台でも2009年に谷崎純一郎原作の

『春琴抄』『陰翳礼讃』を脚色した作品

『春琴』で紀伊国屋演劇賞・個人賞を受賞と

その演技力はお墨付きと言ってもいいでしょう。
まだ台本は完成していないそうですが

深津絵里はヒロインの遊女・紀伊国屋小春、

中村七之助が紙屋治兵衛というのは

間違いないですよね。

 

勘三郎の夢を果たす上で息子の七之助が一役

 

中村七之助の父であり2012年に亡くなった

中村勘三郎は生前に

「海外の演出家に歌舞伎を手掛けてほしい」

と語り、その際に名を上げていたのが

デヴィット・ルヴォーだったそうです。

 

勘三郎の思いが果たされるこの舞台で

息子の七之助が治兵衛を演じるのも

縁の力を感じますね。

 

「有言実行の人だった父の夢が

このような形で実現し、この上なくうれしい。

きっと父も喜んでくれていると思う」

と七之助は語ってます。

 

深津絵里は七之助との共演を

「ご一緒できて大変光栄です。

この不思議なご縁を大事にしたい。

稽古から、ぜいたくな時間となりそうで、

いまからとても楽しみです」

と語り、また七之助は、

「すてきな方ですばらしい大先輩。

僕は現代劇も女性の方とのお芝居も初めて。

新人のつもりで取り組みたい」

と真摯な姿勢を見せています。

確かに、歌舞伎の人ですし

自分が女形をやることが多いですから

役者にとっても観客にとっても

新鮮な舞台になりそうですね。

 

デヴィット・ルヴォーは88年に

初めて来日して以来、日本の演劇界に

大きな影響を及ぼしてきた人。

今が旬の女優深津絵里と、歌舞伎界の期待の星

中村七之助とのコラボレーションとあって

期待もさらに高まります。

 

『心中天網島』のあらすじ

 

近松門左衛門作の人形浄瑠璃で

近松の作品の中でも傑作とされる代表作。

享保5年(1720年)に網島で起きた

心中事件を脚色した物。

 

「天網島」とは「天網恢恢疎にして漏らさず」

(天罰を逃れることは決して

できないということのたとえ)

の「天網」と事件の起こった「網島」を

かけてあるそうです。

 

心中を誓い合う治兵衛と小春

紙屋の治兵衛は妻と2人の子がありながら

遊女の紀伊国屋小春のなじみ客。

「お互いなしでは生きられぬ」

とまで思い詰めている2人に

周りは道ならぬ恋を諦めさせるため

2人を離れ離れにしようとする。

 

お互いに分かれ難い2人は

「会えなくなる時にはいっそ

ともに命を断とう」

と心中の約束をする。

 

妻に義理を立てた偽りの別れ

一緒に心中しようと脇差を持って

小春の下へ訪ねてきた治兵衛だが

そこには先客の武士がいた。

「治兵衛と別れたいなら手を貸す」

と言われた小春は、

「実は心中はしたくない」

と武士に本音を打ち明ける。

 

これを外で聞いていた治兵衛は

怒って小春と別れると宣言し

誓いの起請文を取り返す。

 

実はこの武士、治兵衛が女に入れあげて

商売さえ手に就かないのを見かねて

「弟と切れてくれ」

と変装して話を付けに来た兄の孫右衛門。

 

孫右衛門は小春が差し出した起請文の中に

治兵衛の妻・おさんから手紙を見つける。

「心中したくない」

は妻に義理立てして治兵衛を

諦めさせるためのウソだったのだ。

 

妻の義理立てもならず

tennoamijima6画像出典:http://www.nikkei.com

小春と別れたものの何をする気にも

なれずゴロゴロしている治兵衛は

小春が恋敵の太兵衛に

見受けされるというウワサを聞く。

 

やはり小春が諦めきれず泣き伏す治兵衛。

妻のおさんは

「他の客のに見受けされるぐらいなら

自分の命を絶つ」

とまで言っていた小春に義理立てして

太兵衛より先に身請けするよう夫に勧め、

商売用の銀に手を付け、着物を質に入れて

身請けの資金を用意しようとする。

 

しかし、そこへおさんの父がやってきた。

日頃から商売に身の入らない治兵衛を

よく思っていなかった父の五左衛門は

事情を知るとおさんを離縁させて

無理やり家に連れ帰ってしまった。

 

一緒に暮らす望みもなく、心中して2人だけの世界へ

tennoamijima5画像出典:http://www.nikkei.com

身請けの望みも立たれた治兵衛は

傷心のままに新地へ小春に会いに行く。

いきさつを話した治兵衛は

「この上は、あの世で添い遂げるために

やはり心中しよう」

と小春を誘い、2人は再び心中の約束をする。

 

10月14日の夜明け間近、治兵衛は小春の

喉元を刺し、自らは首を吊って心中を果たした。

 

とまあこんなお話し。

昔の女性は義理堅かったんですね。

心中してもいいほど男に惚れていても

本妻から「切れてくれ」と頼まれれば

自分が悪者になって縁を切らせる。

 

また妻は妻で自分のために身を引いた女の

命を救うために夫に身請けを勧める。

 

心中する際にも差し違えなかったのは

「おさんに別れると約束したのに

心中するのは申し訳ないから、

別々に命を断とう」

という気持ちからなのであります。

 

心中という発想はいただけませんが

自分を主張し、「欲しい物は欲しい」

ということが正しいと推奨される世の中で

こういう義理の立て合いは新鮮だし

美しいと思います。

 

話の筋は単純ですが、なんせ

あのデヴィット・ルヴォーですから、

話をツルッとやるだけではないはず。

なんか興味深いしかけを用意してくれるはず。

 

来年2月末から3月初めにかけての上演で

まだ先のことですが、春の観劇リストに

忘れずに加えておきたいですね。

 

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2016/2/29(月)~2016/3/6(日)

一般発売日:未定

料金:未定

お問い合わせ

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ  06-6377-3888

 

Bunkamura シアターコクーン
2016/3/10(木)~2016/3/27(日)

一般発売日:未定

料金:未定

お問い合わせ

梅田芸術劇場   0570-077-039

 

 

谷賢一
演出 デヴィッド・ルヴォー
出演 深津絵里 中村七之助
音尾琢真 中嶋しゅう 中島歩
入野自由 矢崎広 澤村國久 山岡弘征 朝山知彦
宮菜穂子 森川由樹   他
企画制作 梅田芸術劇場

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