白リン弾はどんな武器?「使用は国際法に抵触する」は本当か?

      2016/03/09

この記事の所要時間: 358

ロシアがシリアでの空爆で白リン弾を使用

していると訴える画像がツイッターに掲載

され、物議を醸しています。

 

日本のメディアでは白リン弾の使用を

「ジュネーブ条約で禁止されている」

「国際法で禁止されている」

と報道しています。

 

白リン弾とはどんな兵器なのでしょう?

調べてみました。

 

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白リン弾とは?

「あなたはロシアの空爆がラッカで白リン弾

を使っているのを知っている?

この戦争犯罪を見て」

と訴えるツイート。

 

白リン弾は、手榴弾・砲弾・爆弾の一種で、

充填する白リンが大気中で自然燃焼すると

吸湿して透過性の極めて悪い五酸化二リンの

煙を発生させることを利用した、煙幕発生

装置である。

 

Wikipediaより

もとは第一次世界大戦以前に照明弾・焼夷弾

発煙弾としての使用を目的として開発された

兵器。

現代も各国の軍隊から武装勢力が使用している

兵器ですが、現在では焼夷弾として使用される

ケースはまれで、現在自衛隊では発煙弾として

のみ装備しているとのこと。

 

白リン弾の使用は違法か合法か?

 

しかし、イラク戦争の際には米兵が

「焼夷弾としての白リン弾を使用した」

と証言したことで

「白リン弾の使用は化学兵器禁止条約の

化学兵器に該当するのでないか」

と米軍に非難が集まりました。

 

焦点は白リン弾が殺傷を目的とした

焼夷弾(攻撃対象を焼き払うための兵器)

かどうかにあるようです。

 

合法違法は両論あり

 

平気であるからには一定の破壊力があるのは

当然なのですが、今回問題視されているのは、

投下されて破裂した際に白リンの粉末が

人体に付着した場合、治療が困難なほど

深刻な化学火傷を起こす強力な化学兵器だ

と考えられているからでしょう。

化学的な作用を利用した非人道的兵器として

使用は許されるべきではないという主張です。

 

これに関しては反論もあり、白リンが深刻な

火傷をもたらすという根拠はない。

焼夷手榴弾をのぞき白リン弾は照明弾

発煙弾として設計されており、殺傷力は

通常の焼夷弾よりはるかに劣る。

また白リンは空気中で短時間で参加して

五酸化二リンに変化し、白リンのままでは

存在しえない。

つまり危険な化学兵器として規制する必要は

ないという主張もあります。

 

これに関しては実際に白リン弾とされる

爆弾が落とされた後の現場や人体の火傷を

確認してみないと判断することは難しい

でしょう。

 

化学兵器禁止条約では禁止されている?

 

ジュネーブ議定書では化学兵器の使用禁止が

うたわれていますが、1993年に締結された

化学兵器禁止条約に定める化学兵器禁止法

規制物質一覧において、白リンは規制対象と

されていません。

 

ですから「国際法で禁止されている」とする

説に関しては正当ではないのかもしれません。

 

焼夷弾なら話は別

 

ただイラクの少女がツイッターに掲載した

画像の中の兵器が照明・発煙目的の

白リン弾ではなく焼夷弾だとすれば

話は別で、これは明らかに国際法に

抵触します。

いずれにしても実際に使用した兵器が

何なのかや状況を確認しなければ、

我々がその是非を判断することはで

できそうにない問題ですね。

ただ化学兵器であろうとなかろうと兵器を

使うこと自体賛成はできないし、画像を

掲載した少女が恐ろしい状況にいることは

間違いありません。

白リン弾がどうかよりも無辜の市民が

傷つけられ命を奪われていることが問題です。

 

ロシアとトルコのにらみ合いも、決着が

つきそうにないし、いったいどうなるのか。

ない頭で考えても気が重くなるばかりです。

 

 - 国際ニュース