パリ同時テロ:仏はISにテロの口実を与えた?国内外に抱える問題とは?

      2016/03/23

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画像出典:http://www.lawrenceofmorocco.com

英外務省が発表した「テロの驚異」マップ、色が濃いほど危険度が高い。

 

13日のパリ同時多発テロ事件の後

ISは犯行宣言と共に

「パリを銃撃したのはアラブの帝国を

攻撃したことに対する警告。

もしこれで態度を改めなければ今後も

標的となるだろう」

との声明を発表しました。

また有志連合の国家に対しても、同様の

事件が起こりうることを示唆しています。

 

日本は現時点では人道支援のみですが

標的にならない保証はないわけで、

だからといって個人にできる対策も

思い当たりません。

ISのパリ攻撃が少し意外だったように

思えて、実は標的となり得る理由がある

――その辺をもう少し考えてみました。

 

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実行犯の中にはフランス人がいた!

 

8人いたとみられる実行犯のうち4人は

ホームグロウンテロリストと呼ばれる

フランスで育ったフランス人だったと

報道されています。

これはまさにフランスが抱える問題を

象徴しています。

 

9月フランスはシリア空爆への参加を表明。

11月には原子力空母シャルル・ド・ゴールを

中東に派遣しISに対して空爆を行うと発表。

 

13日、これに直接宣戦布告するような形で

パリでの同時テロが発生しました。

 

13日の事件後メディアは、近年の懸念が

現実になってしまったと報じています。

今回のテロは予測しうる、起こり得る事態

だったのです。

 

フランス当局によると現在、約440人の

フランス人がシリアで過激派の作戦に

関わっているといいます。

 

今年の夏以降ISは再三、

「現在、ヨーロッパの公民から集めた

テロリストの訓練を行っている。

まもなく彼らがヨーロッパに戻る」

と宣言してきました。

 

このことが逆に空母を派遣しISを攻撃する

ことをフランスに決定させました。

 

リスクを内在しながらの強硬姿勢

 

フランスが直面している過激派テロリストは

イラクやシリアのみではなくフランス国内にもいます。

 

フランスのイスラム教徒は470万人以上、

人口の約7.5%を占めます。

フランス政府がIS組織の攻撃に尽力し、

国内でも反テロ行動を展開するとしても、

国内の過激派やジハード主義者の繁殖を

防ぐことは難しいでしょう。

ヨーロッパの国家の中でも、フランスは

過激派組織への輸送要員が最も多いそうです。

 

フランスの参議院が今年4月に発表した

レポートによると、確認されているだけで

シリアとイラクに赴いてISのために働く

ヨーロッパのジハード主義者のうち、

少なくとも1430人がフランス人で、

毎月平均十数人のフランス人がシリアに

移動しているといいます。

 

フランス情報当局が監視している人物は

1570人、これ以外に7000人にリスクが

あると見られています。

 

しかも国外に流出する過激派以上に危険

なのは、戻ってくる要員。

すでにイスラム国内に滞在した後、

フランスに戻ってきた過激派は少なくとも

200人はいるとみられるそうです。

 

国内に存在する過激派の問題を解決する

手段がないままに、フランスはISに対する

軍事姿勢を強化させてきた。

これにともなって報復の可能性もますます

高まったというわけです。

 

国内の宗教問題がISに口実を与えた

 

もう1つの問題としてフランス政府の

イスラム教徒に対する政策や信仰の問題に

対する姿勢が、ISにフランスを敵視させ、

報復する口実を見つけたとも言えます。

 

例えば2010年、フランス政府は公共の場で

イスラム教徒の女性がブルカ(ヴェール)で

顔を覆うことを禁止する法を施行しています。

 

アメリカが宗教・民族の問題に対して比較的

慎重な姿勢を取るのとは異なり、フランスは

宗教問題に対してより独善的で、時には放任

してさえいる。

 

マンガで宗教的人物を風刺したシャルリー・

エブド事件はまさにその典型的な例でしょう。

 

こういう政策屋風潮が、フランス国内の

イスラム教徒に不満や疎外感を生み

ISの過激な主義に迎合しやすい状況を

生み出しているともいえるでしょう。

 

13日にテロ襲撃をした8人のテロリストのうち

2人はフランス国籍だったことは、多くの人に

衝撃を与えました。

 

国内外の二重の問題を解決しなければ、今回の

ような危険からフランスが解放されることはないでしょう。

 

イスラム教徒や難民に対する姿勢も難しい問題

 

そして、イスラム教徒や難民に対して

どういう姿勢を取っていくかは、

テロに対してどういう姿勢を取るかと同様に

フランスだけの問題ではありません。

現地のフランス人へのインタビューを

見ていたら、

「ひざまづいて生きながらえるより

立ったまま逝くことを選ぶ」

とテロに屈しない決意を語る青年がいました。

 

確かにテロに屈して弱腰になることは

まさにISの思うツボなわけですが、

だからといって強硬に攻撃を繰り返しても

まさに血で血を洗う行為としか思えません。

 

今日、乙武さんの「暴力で屈服させることが

ベストの選択なのか?」という問いに対して

多くの人が「理想論だ!」と反論しました。

 

私も、攻撃で一時的に押さえられても

根本的な解決にはならない気がします。

それこそ完全な根絶やしにでもしないと。

それが可能なのか?

それが許されるのか?

しかし理想論で片づく問題ではないのも

事実だと思います。

難しすぎて考えても分からない問題ですが

だからこそ考え続ける必要がある気もします。

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